本染めされた本物ののれんの魅力は、温かみや懐かしさを感じられる色合いです。
職人が手作業で染めているので、同じように同じ枚数を制作しても
一枚ずつ微妙に違いがあって人間味あふれる雰囲気になります。
主に化学染料ではなくて天然の染料を使うので、肌触りが大変良くて
使いこむほど風合いが増して愛着が湧いてきます。
裏側までムラなくしっかりと染まるので、裏表のデザインを気にしないで使うことも出来ます。
通常の顔料プリントの化学染料だとクリーニングが出来ないことが多いですが
本染めはドライクリーニングが可能で長く綺麗な状態を保てます。
のれんに使っている生地も拘っていて、一般的な店だと110本打込の天竺が多いですが
拘りのあるお店では130本打込を使い丈夫でしっかりした厚い生地です。
オーダーメイドだと約8割は天竺で作られていて、お店に使う場合はおすすめです。
天竺はしなやかでやわらかい感触が特徴で、日本産で店頭に向いています。

他にも天竺より厚いかつらぎもありますが、これは日よけや風が強い場所で使う時、
重みを希望している時に適しています。
外観からのイメージを上げたい時にも良く、生地が丈夫なのでしっかりした仕上がりです。
より高級感や風情を出したい時は麻がおすすめで、古来より魔除けなどに使われていて、
お守りや縁起物、商売繁盛に願いを込めて作られます。
ざらっとした感触でこちらも店頭に向いてます。
本染めのれんは、伝統のある手染めで機械に頼らないでデザインをのれんに書いて
下絵の段階から職人が全て手作業で仕立てます。
本染めの工程
オーダーのれんでまず重要になるのは、デザインのソースとなる緻密なデータです。
作成して欲しいデザインのデータをもとにのれんを作成していくので、
具体的で緻密であるほど、より希望にそった魅力的なのれんが出来上がるというわけです。
またその際には、希望の色合いにするために染料も決めていきます。
その後、インクジェット製版やハンド製版などにより型を起こし、本染めの作業に入ります。
京友禅などで昔から伝統的に行われている本染めの特徴とは、染料を水で溶き、生地にしみこませていきます。
そして蒸したり、水洗いなどをすることで生地の繊維の奥までしっかりと染め上げていきます。
これらの作業は手間はかかりますが、味わい深い良いものが出来上がります。
最近は、機械をつかって染めたり、へらを使って染めていく方法もありますが、
のれんでは刷毛で1点1点丁寧に染めていく「型糊引染」がよく用いられます。

時間と手間がかかりますが、やはり綺麗に染め上がります。
染めの作業が終わると蒸します。
高圧で蒸すことによって早く乾くのと同時に、色をしっかりと固着させることができます。
最後に水洗いをして、余分な糊などを落としていきます。
このように1枚ののれんを本染めで作成するのには、多くの時間と労力を要します。
また職人さんの技術と経験も求められます。
しかしその分、完成したときの出来栄えは実に味があって素晴らしく、
本物のを求めるお客様には人気があるのです。