まずは一般的な定番麻とは?
一言で麻と言ってもいくつか種類があるのはご存知ですか?
ここではのれんを作る時に知っておきたい定番麻ときびら麻の
違いを説明したいと思います。
まず「麻」と言われて多くの人が思いつくのが定番麻です。
こちらはリネンと言ったほうが分かりやすいでしょう。
リネンは亜麻の繊維で織られた生地のことを言います。
亜麻の主産地は寒い地方が多く、主にヨーロッパで発展してきた素材です。
シルクやコットンなどの他の生地と比べると硬さを感じるかもしれませんが、
その分型崩れがしにくく丈夫な生地となっています。
硬いと言っても肌に触れてもチクチクすることはありません。
他の麻製品と比べて、亜麻の繊維は細くしなやかで、ふんわりとした
肌触りとなっています。
また、麻は通気性や速乾性に富んでいるのが特徴です。
夏場にリネン素材の服を着ていれば、汗で生地が張り付くような不快感は
他の素材に比べて少なく、快適に過ごせることでしょう。
のれん作りにもおすすめ、きびら麻とは?
きびら麻はラミー(芋麻)で織られた生地のことで、主にアジア諸国で
使われてきました。日本では古くから「からむし」または「まお」と呼ばれ、
のれん等の生地として親しまれています。
ラミーの特徴は、繊維が長く、太く、丈夫だという点です。
特に強度は天然繊維の中で最大だと言われ、生地はハリ感が強く、
繊維と繊維の間に隙間があることからより通気性・速乾性に優れています。
繊維の隙間は見た目にも透け感があり上品さを醸し出しています。
またリネンに比べると色が白く独特の光沢があります。
のれん等の日常品はもちろんのこと、伝統工芸品に指定されている小千谷縮、
近江上布等の素材にも使われてきました。
さて、のれん作りにはどちらの生地がいいのでしょうか。
それはもう、好みとしか言いようがないでしょう。
柔らかく優しい風合いののれんが欲しければリネンを、かっちりとした
高級感のあるのれんが好みならばラミーを家のインテリアとして飾ったり、
店舗の顔としたり、どのようなシチュエーションで使うのかも合わせて
より素敵なのれんを作ってください。